リーマンショックから10年 私の感じたリーマンショック

こんにちは!kossyです!




たまにはプログラミング以外の話題ということで、リーマンショックを取り上げてみます。

ニュースもリーマンの話題が多いですね。




当時私は中学3年生で、受験勉強や野球、友人と遊ぶことに熱を入れていて、
世界情勢には全くと言っていいほど興味はありませんでした。


さすがにめざましテレビとかイブニングニュースは見る時もあったとは思うのですが、
大きいダンボールを持った厳つい外国人がビルから出てきている印象しか残ってなかったです。












なんか景気が悪いなと思い始めたのは、2009年の秋くらいからです。








私の父は建設系の仕事(いわゆる土方)をしていました。

2008年当時は土日返上で毎日忙しく働いていて、
朝は私よりも早く起きて現場に行き、帰りは20時くらいでした。




しかし、2009年の秋くらいから父の仕事の状況が変わり始め、
平日は私が学校から帰ってくるよりも早く家に居て、
休日はゲオで借りたDVDを見ている姿を見かけることが増えました。



毎日の食事は一品少なくなり、間食でいつも食べていたおやつは無くなり、
家計を管理していた母親はパートを始めました。



そう、父の仕事がどんどん減って収入が減り、家計が苦しくなっていたのです。


当時の家計の状況について母親は、
「食費は月2万で家族4人と犬1匹を養っていた」
と語っていました。

20000円 / 30日 = 1日あたり約670円
670円 / 4.5人 = 一人(と一匹)当たり1日148円

コンビニでおにぎりを買ったらおしまいのレベルです。
母親には苦労をかけたなぁ。













さて、なぜこのような状況になってしまったのか。











このデータを見れば理由は一目瞭然です。
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出典: 報道発表資料:建築着工統計調査報告(平成28年計分) - 国土交通省


リーマンショックの翌年に住宅着工件数が大きく減少しています。
(2007年に建築件数が減少しているのは改正建築基準法が適用され、確認審査などが厳格化され、建築確認業務が停滞したため)


住宅着工件数は、経済にとって非常に重要な指標です。
住宅を建てるのは、列挙仕切れないくらい様々なひとが関わります。
木材を扱うひと、木材に取り付ける金具を扱うひと、材料を運ぶひと、家を組み立てるひと、家を設計するひと、それを現場で管理するひと、足場を組み立てるひと、ガラス、サッシを扱うひと、トイレや水回りの製品を作るひと、それを設置するひと、電気やガスを通すひと、冷蔵庫やテレビを作るひと、それを自宅まで運び入れてくれるひと、机や椅子を作るひと、家に住んでくれるひと。
まだまだたくさん関わるひとがいると思います。


ここまで書いてお気づきかと思いますが、住宅産業は周辺産業の裾野がとても広いのです。
古い資料ですが、以下のように言及されています。


03 年度の住宅投資は、名目ベースで約 18 兆円であり、GDPに対する割合は 3.6%と低い。しか
し、住宅投資は、建設業や不動産業のみならず鉄鋼、木材、ガラス産業等への波及が大きい。加え
て、耐久消費財の消費も誘発することが多く、経済全体に対する影響は小さくない。例えば、「公
庫融資利用者に係る消費実態調査(平成 15 年度、住宅金融公庫調査)」では、住宅購入後1年以内
に購入した(及び購入予定)耐久消費財の平均金額を調査している。持家、分譲住宅を購入した層
の消費金額の平均は、173.4 万円(02 年度の住宅着工で加重平均)との結果が出た。また、住居の
移転にともなう引越し費用の平均的な金額は 20.6 万円であった。これらを 03 年度の持家、分譲住
宅の着工戸数である 70.7 万戸を対象にして試算をすると、約 1.4 兆円の消費を誘発している計算に
なる。実際には、貸家や給与住宅に関しても消費を誘発すると考えられるため、更に金額は大きく
なると考えられよう。

出典: http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/0503_9.pdf


つまり、住宅産業に関わる建設業者だった父は、リーマンショックの煽りを受け、
大幅に減少した住宅着工件数の影響をもろに受け、
結果として家計も苦しくなってしまったのです。



当時は高校生ながら、経済と一般市民の生活はとても密接に関わっているのだなと感じた次第です。